日本の暦の特殊日
頂いたカレンダーに初大師・初天神・初不動などの記載がありました。
よく見ると他にも三りんぼうなど、普段使わない言葉がありました。
自分なりに調べましたので、ご紹介します。
縁日
私は西新井大師の近くに住んでいます。
弘法大師を祀ってあるお寺です。
祀られている対象の人物の所縁の有る日にちを、縁日とし、毎月のその日を祝う中で、年の始まの一月の縁日を初と表現し、年の終わりの縁日を納めと表現します。
初水天宮
水天宮は、天之御中主神、安徳天皇、高倉平中宮、二位の尼を祀る神社のようです。
天之御中主神などは、殆ど伝説上の人物の為、総本宮の例大祭が5月5日であつことから、毎月5日が縁日となっているようです。
初薬師
薬師如来が本尊のお寺が薬師寺だそうですが、外国から伝わった神なので、古い習慣の集会の日にちから、毎月8日が縁日となっているようです。
初観音
観音菩薩を祀る寺院の縁日が18日とされています。
観音さまの話が面白かったので、ご紹介します。
昔、あるところに、早離と即離という幼い兄弟がいました。
しかし、ふたりの両親は、彼らの成長を見る事なく、亡くなってしまいます。
途方に暮れている兄弟に、ある男が「両親に会わせてやろう」と声をかけます。
その幼さゆえ、、悪人の言う事を真に受けてついて行った先は無人島・・・。
騙されたふたりは、この無人島に置き去りにされてしまいます。
疲れと飢えに絶えながら何日か暮らしますが、幼いふたりは、何も無い無人島でどうする事もできず、もう死を待つ事しかできません。
「僕たちは、なんて不幸なんだ!
両親を亡くして、人に騙されて、このまま、人知れず死んでいくなんて・・・」
嘆き悲しむ弟に、兄が語りかけます。
「僕も最初はそう思ったよ。
でも、嘆いても仕方ないじゃないか。
僕たちは、こうして、親と別れる悲しさ、人に騙される悔しさ、そして、飢えと疲れの苦しさを、他人の何倍も知る事ができた。
どうだろう?
今度、生まれてくる時は、この経験を生かして、同じ悲しみに泣く人々を救っていこう。
他をなぐさめる事で、自分もなぐさめられるんだよ。」
兄の言葉を聞いて、弟の心の中にも何かが目覚めました。
死を前にして、悲しいという気持ちはなくなり、なにやら晴れ晴れとした気分・・・兄弟は、ともに誓いをたて、ほどなく、静かに息をひきとります。
その死顔は、とてもおだやかで、静かなほほえみをたたえていたと言います。
この兄が観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)。
弟が勢至菩薩(せいしぼさつ)です。
初大師
弘法大師が亡くなった日が3月21日とされているため、毎月21が縁日となっています。
ちなみに西新井大師の本当の名前は、總持寺(そうじじ)と言うようです。
初天神
日本各地の天満宮(天神社)で催される祭りで、祭神の菅原道真の命日にちなんだ縁日。
毎月の25日です。
初不動
不動明王の起源は、ヒンドゥー教の最高神シヴァ神にあるとの説が有力なようです。
毎月の28日です。
金毘羅 - 毎月10日
虚空蔵菩薩 - 毎月13日
日蓮聖人 - 毎月13日
阿弥陀如来 - 毎月15日
閻魔 - 毎月16日
歓喜天(聖天) - 毎月16日
千手観音菩薩 - 毎月17日
七面天女 - 毎月18日,19日
弘法大師 - 毎月21日
八幡神 - 毎月23日
地蔵菩薩 - 毎月24日
愛宕権現 - 毎月24日
法然上人 - 毎月25日
愛染明王 - 毎月26日
大日如来 - 毎月28日
妙見菩薩 - 毎月1日,15日
鬼子母神 - 毎月8日,18日,28日
稲荷神 - 午の日
摩利支天 - 亥の日
毘沙門天 - 1月,5月,9月の最初の寅の日
大黒天 - 甲子の日
弁才天(弁財天) - 己巳の日
帝釈天・青面金剛 - 庚申の日
選日
カレンダーを頂いたときに、縁起の良さそうな一粒万倍日というのがあり、また不成就日という、縁起の悪そうな文字も見つけました。
一粒万倍日
一粒の種が万倍に増える日とされ、古来から事始に用いられています。
特に仕事始め、開店、種まき、お金を出すことに吉であるとされる。
反面増えて多くなる意から、他人から物を借りたり、借金をするのには凶となります。
不成就日
障りがあって。物事が成就せず、悪結果を招く凶日とされています。
特に結婚・開店・柱立て・命名・移転・契約事項には不向きです。
この日に急に物事を思い立ったり、願い事をするなども避けるべきだといわれています。
八専
八専とは壬子の日から癸亥の日までの12日間のうち、壬子、甲寅、乙卯、丁巳、己未、庚申、辛酉、癸亥の8日のことで、年に6回あります。
この日々は法事・供養などの仏事、破壊的な物事の着手、嫁取りには凶日とされています。
三隣亡
昔から普請初め・柱立て・棟上などの建築の節目には大凶とされている日です。
この日を用いて施工した家屋が、後日災害を起こした場合は、近所となりも滅ぼすとされています。
天一天上
天一天上とは人事の吉凶禍福をつかさどる天一神が天上する日です。
天一神は癸巳の日に天上するので、この日から戊申の日までの16日間は、天一神の障りは無いとされています。
天赦日
天赦日とは干支相生。相剋の中庸を得る大吉日で、天の恩恵により何の障害も起きない日とされています。
特に結婚・開店・事業創立・拡張などに用いて最良の日とされています。
土用
一年の春・夏・秋・冬のそれぞれの間に四季の土用があり、その期間は18-19日間です。
その期間中は土木工事に着手することは大凶とされています。
ただし土用中でも間日は障りが無く、春は巳・午・酉の日、夏は卯・辰・申、秋は未・酉・亥、冬は卯・巳・寅の日が間日となります。
十方暮
十方暮とは干支相剋の凶日で、甲申から癸巳の日(相剋しない日も含みます)の間の10日間のことを指します。
この日は労を尽くしても功の少ない日とされ、新規事柄の開始や旅立ちなどにも凶の日とされています。